【社内恋愛】OJTがキッカケ
27歳ぐらいの時。後輩に言われた。
「南野さんのこと、好きなんです。今度遊びに行きませんか?」
OJTってなんやねん(呆)
その会社では、OJTという言葉を使い、何でも「現場教育」を謡っていた。新人当時、課長に「OJTって具体的には何をするんですか?言葉の意味はなんとなくわかるんですが」と質問をした。
返ってきた答えは「背中を見て育て、という意味だ」であった。
会社内を見回しても、見習いたい背中はどこにもなかった。いや、違う。見習えばいい背中がどれなのかがわからなかった。
そんな『こっちじゃ育てられないから、現場でお願いね』という丸投げの会社でも、それなりに食らいついて仕事をしていた。クライアントに何度「調べておりかえします」「宿題にさせてください」と言った事か。
そして、宿題をしなくなって済むようになって、おれも指導する側になった。課長の言うところの「背中を見せる」立場になったのだ。
後輩現る
村木さんと初めて会ったのは、彼女が名ばかりの研修を終えた、入社2週間後のことだ。ショートボブが似合う彼女は前職を1年で退職して、この会社に来たといっていた。
おれは、第一印象が悪い。目つきは悪いし、愛想は振りまかない。
告白された後に「第一印象は最悪でした。」と言われてもあまり驚かなかった。
村木さんは飲み込みが早かった。おれも安心して教えていた。
「お前の『調べて折り返します』は冷たい感じが出てる。例えば、たいしたことないと思ってもわざと『調べて折り返しでも間に合いますでしょうか』にした方が感じが良いと思うよ」
とか、めちゃくちゃ第一歩から教えた。
いつもくっついてきた。おれも可愛い後輩だな、と思うと同時に、これは育てておれの仕事負担が減ればいいなーとか最低な考え方をしていた。
実際、彼女は半年で職場になくてはならない存在となっていた。
飲みに行く
1つのプロジェクトが終わった頃、村木さんを含む6人で飲みに行った。おれは、村木さんのことなんて何も思っていないので、イジリ倒した。兄の影響でハイスタが好きだと言っていた。
「じゃあエアジャム知ってる?」
「知りません」
「にわかじゃん」
「にわかです」
「にわかが好きとか言わないでもらえる?」
「にわかですが、好きです」
「いや、に」
「にわか」
「おい、開き直るな」
「にわかはビールのおかわりがほしいです」
「すいませーん、ビールください」
当たり前のように会話がおもしろかった。今思い出しても、あの心地良い会話が忘れられない。
告白されたのはその1週間後だった。
好かれた理由はなんだったんだろう
このブログは別に思い出を書くブログじゃない。mixi世代がやりがちだよな。
もし君がOJTをキッカケに恋人になりたいなら、少しだけ参考になればいい。
2点が彼女がおれを好きになった理由だと思う。
まずは、何より単純接触効果(ザイアンス効果)だろう。人はよく会う人ほど好きになりやすいというやつだ。
次は社会的強さだ。女性は、自分より弱いと思った男を好きにならない。守ってほしいとか、着いていきたい、という女性がほとんどだ。これが会社だと単純に先輩・後輩という立場からスタートできるから有利だ。
だからこそ、おれは絶対に後輩女性に媚びるような真似はしない。
どれだけ美人でも、だ。(吉岡里帆が後輩で入ってきたら無理だ、すまん)
職場で後輩の女の子に「いいよ、やっといてあげるよ」「ミスなんて気にしない、いいよいいよ」とか何でも言ってる男に魅力があるとはおれは思えない。それに、仕事は仕事だ。とんでもないミスをすれば、好きだったとしても「どうしてこうなった?」と怒る。当たり前だ。
それで、泣こうが影で悪口言われようが、知ったことかよ。
多分、この感じが好きになってもらえた理由だろう。別にイケメンでもないしな。
その後
付き合わなかった。
好きだと言われた後、おれは聞いた。
「ありがとう。でもさ
お前彼氏いるんじゃなかったっけ?」
「はい、います」
新しい世代なのかな?と思ったよ。
あ、遊びには行きましたが、何もしてません(ホントだよ!)
それでは、皆、おれの背中を見てがんばれよ(OJT)